コラム|「上意下達」と「下意上“活”」 |株式会社ユニゾン・UNISON

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「上意下達」と「下意上“活”」

「上意下達」とは“上位の者の意向や指示を下位の者に伝えること”だが、組織の傾向を示す言葉としても頻繁に使われる。

一般には、上位者の影響力が強く「上司の意向や指示に対して部下はものが言えない」というような雰囲気を持つ組織、あるいはトップダウンの傾向が強い組織を指して、ウチの組織は上意下達だから…などと使われることが多いようだ。

ところで、この「上意下達」を皆さんはどのように読んでいるだろう?
「じょういげだつ」とか「じょういげたつ」と読んでいないだろうか。
言葉は世につれ変化するから、近い将来どちらの読み方も間違いではないということになるかもしれないが、今のところ「じょういかたつ」と読むのが正しいとされる。

あくまでも個人的な見解ではあるが、これらの誤読が広まったのは、上意から解脱(げだつ)※ したいという組織人の切なる願いが図らずも表出し、多くの同輩たちに共感を持って受け止められているからではないだろうか。

※この世の迷いや苦しみから逃れ、安らかで自由な境地に達すること。悟ること。(明鏡国語辞典)
 
閑話休題、昨今この「上意下達」あるいは「上意下達の傾向が強い組織」に対する風当たりが強い。やれパワハラだ、ブラックだと槍玉に挙がるのは、たいていトップダウンの傾向が強い組織である。
そこまで極端な話ではなくとも、従業員たちのモチベーションが低い理由を上意下達の雰囲気に求める組織人は多い。

しかし、上意下達をステレオタイプに否定するのはいかがなものだろう。
上役の考えがしっかりと行き届いていなければ、逆に不安や不満を覚える部下も多いのではないか。例えば、上司が自分の意見や考えを示すことなく、「ウチはボトムアップだから、何でも好きなことを言ってほしい」などと部下たちに話をしているとしたらどうだろう?

私のような“つむじ曲がり”の部下がいたとしたら、「まず(上司である)あなたはどうしたいんだ?」と突っ込みを入れたくなるだろう。

やはり、上位に立つ者は下位の者に対して、しっかりと説明責任を果たす必要があろう。そして、部下たちから理解と共感を引き出し、彼らが「上司の考えはもっともだ」と思える雰囲気を作らなければならない。
上意下達でまずいのは、上意の“ごり押し”である。

ちなみに「上意下達」の対義語は「下意上達(かいじょうたつ)」という。
こちらの言葉には、風通しが良い・自由闊達・ボトムアップ…といった比較的良いイメージを持つ組織人が多いようだ。私はこれを“ひとひねり”して「下意上活(かいじょうかつ)」としたい。意味は「下位の者の意向や考えを上位の者が活かす」である。

上役たる者、「上意下達」と「下意上活」の両輪で組織を経営したいものである。

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